道志川は山中湖の少し西にある山伏峠付近に端を発し、道志や西丹沢の山塊が貯えた水を集めながら北西に流れ、津久井湖で相模川に合流する。総延長は21.7Km、水源の標高は1,120m、合流地点の標高は120mだ。計算上平均傾斜角は2.64°となるが、上流部は概ね平坦な場所をゆっくりと流れており、川岸に下りることは容易だが、下流部は深い谷の底に急流と淵が連続している。

道志川沿いには道志みちが延びている。現在は全面舗装され国道413号線の一部となっている。僕が学生の頃、盛んに道路の整備が行われていたのを覚えている。

道志みち沿いに道志村が広がっている。広がっていると言っても、集落が続くのではなく点在している。東西約28Kmあり昔から”道志七里”と呼ばれていた。七里塚が今でも残っている。下流域の月夜野に起点塚があり、大渡に一里塚、椿に二里塚、その後馬場、神地、川村、長又、山伏峠と続く。

道志川の総延長21.7Kmは山伏峠から津久井湖までの長さだが、道志七里28Kmは山伏峠から月夜野までの長さだ。月夜野から津久井湖まではまだ10Km程の距離がある。川は己の好きな場所を流れるが、道は色々な事情を踏まえて作られるので、道志みちは道志川より遥かに長い。

渓流釣りという視点からの釣行の対象となる区間は、丁度道志七里の起点の月夜野辺りから上流だ。深い谷を跨ぐ形で道志川に両国橋が架かっており、ここから上流が渓流釣りの対象区間となる。両国橋から更に下流の音久和堰堤までは山女魚が釣れるらしいが、僕は竿を入れたことはない。6月になると、もう少し上流の神之川出合いから両国橋、音久和堰堤辺りは鮎釣師達で賑やかになる。

昔は良くこの月夜野近辺にも釣行していたのだが、気が付くとめっきり足が遠のいていた。

ルアーボックスの中身を充実させたので、久々に大淵の多いこの区間に出掛けることにした。ルアー竿を思い切り振れる場所なので、釣れても釣れなくても心地が良いのだ。最近では餌釣りや毛鉤釣りに適した小場所で、数メートルだけルアーを引く釣りが流行っているようだが、僕にはとても違和感がある。

昨日の朝は小雨だった。左程増水はしていないだろうと予定通り入渓することにした。
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両国橋下のトロ場を覗いてみたが、濁りも左程ない。
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両国橋から1Km道志みちを走った場所に天狗岩への入口がある。
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谷はかなり深い。朝の6時にこんなところを歩いている自分をしみじみ馬鹿だと思う。
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川面が見えて来ると安心する。
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川面を眺めながら、ルアーをセットする。
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今日の状況に相応しいルアーが分からないので、スピナー、スプーン、ミノーをローテーションさせ淵やトロ場を探る。こう言う時には魚は釣れない。僕は較正とかキャリブレーションと呼んでいる。
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淵に魚の姿が見える。定位の仕方から判断すると虹鱒だ。定位している虹鱒の鼻先にスピナーやルアー、ミノーを引いて見る。ミノーに一番反応した。

ここからは自信を持って、ミノー一択でRUNGUNを開始する。
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次の大淵で35cm程の虹鱒がヒットした。リールのドラグを緩めておいて良かった。

魚はすべてリリースする。魚篭を持って来ていない。身軽なのでテンポ良く釣り上がって行く。
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次の大きな流れ込みでは、虹鱒二匹と山女魚がヒットした。虹鱒は大きいが鰭が丸まっている。一方、山女魚は小さいが鰭ピンだ。昔はここにこんなに沢山の虹鱒はいなかった。虹鱒は支流の神之川の上流にある管理釣場から逃げ出して来たものだ。

もうルアーの交換はしない。メテオーラ45Sを使い続ける。
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やがて神之川の出合いまで釣り上がった。そのまま道志川側を遡行する。
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何度も餌釣りの好ポイントに出合う。餌釣りをしたくなる。こう言う誘惑に負けないように餌釣りのタックルは車に置いて来た。
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出合いを過ぎてからは虹鱒がヒットすることは無くなった。鰭ピンの山女魚を何度も釣ってはリリースする。
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なぜか懐かしさを覚える淵に来た。濁りが入り過ぎているので多分釣りにならない。
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顔を上げて遠くを見たら、月夜野キャンプ場だった。昔、家族でキャンプに来た。
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久し振りに真面目にルアー釣りをした。結構歩いたのだけれど、釣りながら歩くと疲れない。
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問題は、車に戻る為にキャンプ場から国道までの長い上り坂を歩かなければならないことだ。国道に上がってしまえば、緩やかな下り坂をトコトコ歩けば車に戻れる。